● 雇用保険 / R7.4新設の上乗せ
● 所得制限なし

両親とも14日以上育休を取ったら、雇用保険から手取り実質10割になる制度

正式名称
出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金(雇用保険)

雇用保険の「育児休業給付金」(67%/50%)に上乗せされる、産後直後の手厚い給付制度です。2つの給付金が組み合わさって、最大28日間は実質手取り10割相当に到達します。 1つめは「出生時育児休業給付金」。子の出生日(または出産予定日のいずれか早い方)から起算して、産後8週以内に取得した最大28日間の育休に対して67%が支給されます。男性の「産後パパ育休」で使われることが多い制度。 2つめは令和7年4月新設の「出生後休業支援給付金」。両親とも14日以上の育休を取得した場合、最大28日間 +13%が上乗せ(67%+13%=80%相当)。さらに育休中は社会保険料が免除されるため、手取りで休業前の約10割に近づきます。

産後すぐの育休の給付金雇用保険所得制限なし産後8週以内
両親とも14日以上の育休で、給付率80%
給付率(最大28日)80%
出生時育児休業給付金67%
上乗せ+13%
  • +13%は、両親とも14日以上の育休を取ったとき
  • 社会保険料の免除で、手取りは休業前の約10割に近づく
29日目からは育児休業給付金(67%)へ皆と子育て.com
給付率(産後8週以内・最大28日)
出生時育児休業給付金
67%
+ 出生後休業支援給付金(両親14日以上)
+13%
合計給付率
80%
対象は雇用保険被保険者。育休開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上必要。29日目以降は通常の育児休業給付金(67%)に切り替わり、181日目以降は50%になります(出生時育児休業給付金をもらった日数も180日に数えます)。

あなたの場合、いくらもらえる?

月収と育休日数で、出生時育休給付金 + 出生後休業支援給付金の概算を計算します。

月収(休業開始前6ヶ月の平均) 賞与は除外
円
休業開始時賃金日額 = 月収 × 6 ÷ 180 で計算(上限16,540円・下限3,203円。令和9年7月31日までの額)。
産後8週以内の育休取得日数 最大28日まで
配偶者も14日以上育休を取得? +13%加算の条件
産後28日分の合計
298,659円
が雇用保険から支給されます(社会保険料免除を含めると実質手取り10割相当)。
─ 計算の内訳 ─
休業開始時賃金日額 月収 × 6 ÷ 180
13,333円
出生時育児休業給付金(67%) 日額 × 28日 × 67%
250,127円
出生後休業支援給付金(+13%) 日額 × 28日 × 13%
48,532円
250,127 + 48,532 = 298,659円
上の金額は概算です(賃金日額の上限16,540円・下限3,203円を当てはめています)。社会保険料が免除されるため、実質手取りは表示額より大きくなります。29日目以降は通常の育児休業給付金(67%)に切り替わります。詳細は育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)または勤務先の人事担当へ。

よくある疑問

読み始めて「あれ?」と思いそうな点を、原典に基づいて先回りで解消します。

「出生時育児休業給付金」と「育児休業給付金」の違いは?

制度上は別の給付金で、対象期間が違います:

  • 出生時育児休業給付金: 子の出生日(または出産予定日のいずれか早い方)から起算して産後8週以内に取得した育休が対象。最大28日間、給付率67%。男性の「産後パパ育休」で主に使われる。
  • 育児休業給付金: 産後57日目以降〜子1歳(延長で1.5〜2歳)までの育休が対象。180日目までは67%、181日目以降は50%。男女どちらも対象。

出生時育休給付金を産後8週以内に最大28日まで取得し、その後は通常の育児休業給付金にバトンタッチする形が一般的です(連続でつなぐことで所得保障を切れ目なく確保)。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」 — mhlw.go.jp/.../0000135090_00001.html
「出生後休業支援給付金」(+13%上乗せ)って具体的には?

令和7年4月新設の制度。決められた期間内に、両親(=被保険者本人と配偶者)がいずれも14日以上の育児休業を取得した場合、最大28日間 +13%が上乗せされます。期間は、父親(産後休業をしない方)は出生後8週以内、産後休業をした母親は出生後16週以内です。

つまり、出生時育児休業給付金の67% + 13% = 80%。さらに育休期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険料)が免除されるため、実質手取りで休業前の10割相当に近づきます。

男性育休の取得促進が狙いの制度。両親同時育休のインセンティブとして設計されています。

出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」13〜14頁
女性も「出生時育児休業給付金」を使える?

制度上は男女問わず使えますが、女性は産後休業(産後56日)の優先適用があるため、現実的には男性中心の制度です。

  • 女性: 産後56日は健保の「出産手当金」(月収の2/3)が出るため、出生時育休給付金は通常使わない。産後57日目以降から「育児休業給付金」(67%)を取得。
  • 男性: 産後休業の概念がないので、出生日(または出産予定日)から育休取得可能。「出生時育児休業給付金」(67%)を最大28日まで取得し、その後「育児休業給付金」につなぐ。

母親が産後休業中の場合、父親は「配偶者が産後休業中」という例外にあたるため、父親が14日以上育休を取れば父親に+13%が出ます。母親が+13%を受けるには、産後休業のあと出生後16週以内に母親自身が14日以上育休を取り、父親も出生後8週以内に14日以上育休を取っていることが必要です。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」
シングル家庭・配偶者が雇用保険外の場合は?

「出生後休業支援給付金」(+13%)は原則「両親とも14日以上育休」が条件ですが、以下の7つの例外に該当する場合は配偶者の育休が不要になります(子の出生日翌日時点で判定):

  1. 配偶者がいない(配偶者が行方不明の場合を含む。ただし勤務先で3か月以上の無断欠勤が続いている場合か、災害で行方不明の場合に限る)
  2. 配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係にない(再婚相手など)
  3. 被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
  4. 配偶者が無業者(専業主婦/夫を含む)
  5. 配偶者が自営業・フリーランス等、雇用される労働者でない
  6. 配偶者が産後休業中(母が産休中なら父はこの例外で支給)
  7. 上の1〜6以外の理由で、配偶者が給付金の対象となる育休を取れない(「配偶者が給付金の対象となる育児休業をすることができないことの申告書」を出す)

なお配偶者が公務員の場合は、公務員の育休として14日以上取得していれば本人にも支給されます(雇用保険被保険者ではないが「育休扱い」)。

必要書類の例: 専業主婦/夫・自営業の場合は、住民票(続柄あり)か母子健康手帳(出生届出済証明のページ)の写しと、配偶者の直近の所得課税証明書。ひとり親の場合は、戸籍謄(抄)本と住民票、または児童扶養手当の受給を証明する書類など。父親が申請し、母親が出産している場合は、母子健康手帳(出生届出済証明のページ)の写しなどを出せば、ほかの書類を省略できます。令和8年8月1日からは、母親が申請する場合も、父親の確認書類として母子健康手帳の同じページの写しを出せるようになりました。

「出生時育児休業給付金」(67%)については、両親要件はなく、本人が雇用保険被保険者で要件を満たせば単独で受給可能。

出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」13頁・19〜20頁 — PDF / 「令和8年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直します」 — PDF
「最大28日」より短く取った場合の給付額は?

給付額は取得日数に比例します。たとえば14日取得なら、28日取得時の半額になる計算。

「出生後休業支援給付金」の+13%加算は、「両親とも14日以上」が条件。14日未満だと+13%は適用されず、出生時育児休業給付金の67%のみ。

男女どちらかが14日未満の場合、+13%の上乗せが消えるため、所得補填が67%にとどまります。両親で計画的に14日以上取るのが手取り最大化のコツ。

出典: 厚生労働省「出生後休業支援給付金について」
育児休業給付金との関係は?(関連ページへ)

本制度は「育児休業給付金」(67%/50%)の特別上乗せ版のような位置づけです。流れとしては:

  • 1〜28日目(産後8週以内): 出生時育休給付金 67% + 出生後休業支援給付金 +13% = 80%(両親とも14日以上育休の場合)
  • 29〜180日目: 育児休業給付金 67%
  • 181日目〜終了: 育児休業給付金 50%

通常の育児休業給付金については、本ポータルの「育児休業給付金」ページで詳細を解説しています。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」
賃金日額の上限・下限はある?

はい、雇用保険法に基づき毎年8月1日に改定される賃金日額の上限・下限があります。上限額を超える月収の場合は上限額で頭打ちになるため、高所得者ほど実質給付率は下がります。

令和8年8月1日〜令和9年7月31日の額は、賃金日額の上限16,540円・下限3,203円です。28日間とった場合の支給上限は、出生時育児休業給付金(67%)が310,290円、出生後休業支援給付金(13%)が60,205円です。

出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」5頁・16頁 — PDF

いつ申請して、いつもらえる?

勤務先経由でハローワークへ申請、産後8週以内の育休が対象。

事前準備
妊娠中、勤務先と育休計画を擦り合わせ
出産予定日を基準に、男性は出生時育休(最大28日)+ 育休連続取得、女性は産後休業 → 育児休業給付金、配偶者は出生時育休14日以上、というプランを設計。両親とも14日以上育休なら +13%が加算される。
STEP 1
出産 → 出生時育児休業を開始(主に父親。出生日から)
男性: 出生日(または出産予定日のいずれか早い方)から出生時育児休業を取得可能。「産後パパ育休」と呼ばれる枠で最大28日。女性: 産後56日は出産手当金(健保)、産後57日目以降は育児休業給付金。
STEP 2
勤務先からハローワークへ申請
「育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書」を勤務先経由でハローワークへ。出生時育児休業給付金は、出生日(予定日より早く生まれたときは予定日)から8週間たった日の翌日から申請できます(28日とり終えたら、その翌日から)。期限は、申請できるようになった日から2か月たつ日の月末まで。2回に分けてとった場合も、申請は1回にまとめます。
STEP 3
「出生後休業支援給付金」の併給申請(両親育休確認)
原則、出生時育児休業給付金と同じ申請書で一緒に申請します。配偶者が雇用保険に入っている場合は申請書に配偶者の被保険者番号を書き、住民票か母子健康手帳の写しなどを添えます(ハローワークが配偶者の給付の記録を確認)。両親の要件を満たすと +13% が上乗せ支給される。
STEP 4
支給決定 → 振込
支給が決まると、本人の口座に振り込まれます。出生時育休給付金 + 出生後休業支援給付金の合計額が支払われる。
STEP 5 | 産後8週以降
通常の育児休業給付金にバトンタッチ
29日目以降は通常の育児休業給付金(67% → 181日目から50%)に移行。育休が長期化する場合は、本ポータルの「育児休業給付金」ページも参照。
申請は基本的に勤務先(事業主)経由。問い合わせ: 育児休業等給付コールセンター 0570-200-406(平日8:30〜17:15。土日祝日・12/29〜1/3を除く)。

本制度の変更履歴

制度の新設・改正・終了をまとめています。

2026-08-01 賃金日額の上限が16,540円に改定(28日の支給上限は出生時育児休業給付金310,290円、出生後休業支援給付金60,205円)。あわせて、母親が申請するときの配偶者の確認書類に母子健康手帳の写しが使えるようになった
賃金日額の上限は毎年8月1日に改定。令和9年7月31日までの額 → 当時のページ(改定前)を見る
2025-04-01 出生後休業支援給付金が新設(両親とも14日以上育休で +13% 上乗せ、最大28日間)
育児・介護休業法等の一部改正。出生時育休67%+13%=80%相当、社会保険料免除込みで実質手取り10割相当に

正確な情報はこちらから

このページは厚生労働省の公式資料を元にしています。正式な判断は必ず原典で確認してください。