● 雇用保険 / ハローワーク経由
● 所得制限なし

育休中、雇用保険から月収の67%が支給される制度

正式名称
育児休業給付金(雇用保険)

雇用保険に加入していて育児休業を取得した方に、休業開始から180日目までは月収の67%、181日目以降は50%が支給される制度です。 育休期間中は社会保険料(健保・厚生年金・雇用保険料)が免除になるため、67%期間中は実質手取りで休業前の約8割相当に。 原則は子が1歳になるまでですが、保育園に入れなかった等の事情で1歳半・2歳まで延長可能(令和7年4月から手続き厳格化)。男女ともに同条件で利用可能。

育児休業給付金雇用保険所得制限なし男女同じ条件
育休中、最初の180日は月収の67%
育休開始〜180日目
月収の67%
181日目〜終了まで
月収の50%
1日分 = 育休前6か月の賃金合計 ÷ 180日
賃金日額に上限あり・毎年8/1改定皆と子育て.com
給付率
育休開始〜180日目まで
67%
181日目〜終了まで
50%
月収40万円・1年育休で約260〜290万円が目安(賃金日額の上限あり、毎年8/1改定)。出生後8週以内は別枠で「出生時育児休業給付金」、両親とも14日以上育休なら「出生後休業支援給付金」(+13%)も併用可。

あなたの場合、いくらもらえる?

月収と育休期間で、67%期間と50%期間を按分して総支給額を計算します。

月収(休業開始前6ヶ月の平均) 賞与は除外
円
休業開始時賃金日額 = 育休開始前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180日 で算出されます(上限16,540円・下限3,203円)。
育休期間 何ヶ月取得するか
あなたの場合、合計
2,807,929円
が育児休業給付金として雇用保険から支給されます(概算)。
─ 計算の内訳 ─
休業開始時賃金日額 月収 × 6 ÷ 180
13,333円
67%期間(〜180日) 日額 × 180 × 67%
1,607,959円
50%期間(181日〜) 日額 × 残日数 × 50%
1,199,970円
1,607,959 + 1,199,970 = 2,807,929円
上の金額は概算です(賃金日額の上限16,540円・下限3,203円を当てはめています。令和9年7月31日までの額)。支給日数は1ヶ月=30日として計算しています。さらに、社会保険料が免除されるため実質手取りは表示額より大きくなります。出生時育児休業給付金(産後8週以内)・出生後休業支援給付金(両親とも育休14日以上で+13%)も別枠で受給可能。詳細は育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)または勤務先の人事担当にご確認ください。

よくある疑問

読み始めて「あれ?」と思いそうな点を、原典に基づいて先回りで解消します。

「67%」と「50%」の境目はいつ?

育休開始日から数えて180日目までが67%、181日目以降が50%。育休を1年取得する場合、最初の約半年が67%、後半の約半年が50%という構成になります。

たとえば月収40万円・育休1年(30日×12ヶ月で計算)なら、67%期間(180日)で約161万円、50%期間(180日)で約120万円、合計約281万円(概算)。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」 — mhlw.go.jp/.../0000135090_00001.html
賃金日額の上限・下限って何?

育休給付金の計算基礎となる「休業開始時賃金日額」には上限・下限があり、雇用保険法に基づき毎年8月1日に改定されます。上限を超える月収の場合は上限額で頭打ちになるため、高所得者ほど実質給付率は下がります。

令和8年8月1日〜令和9年7月31日の額(年齢による違いはありません):

  • 賃金日額の上限: 16,540円(月収にすると約49.6万円)
  • 賃金日額の下限: 3,203円
  • 30日分の支給上限: 67%の期間は332,454円、50%の期間は248,100円
  • 30日分の支給下限: 67%の期間は64,380円、50%の期間は48,045円

月収が約49.6万円を超える方は、それ以上月収が高くても支給額は増えません。次の改定は令和9年8月1日の予定です。

出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」 — PDF
男性育休と女性育休で違いはある?

給付率(67% / 50%)・対象期間・要件は男女で同じです。違いは「いつ始められるか」のみ。

  • 女性: 産後休業(出産日翌日から56日)が終わった57日目から育休スタート。前半は出産手当金が出ているため、両者で連続して所得保障される。
  • 男性: 出生日(または出産予定日)からすぐ育休取得可能。さらに「出生時育児休業給付金」(産後8週以内・最大28日)を別枠で取得できる。

両親とも14日以上育休を取得すると「出生後休業支援給付金」(+13%上乗せ、最大28日)が加算され、最初の28日は実質手取り10割相当に。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」
産休(出産手当金)との関係は?

支給期間が分かれているので、原則重複しません。

  • 産前42日(多胎98日)〜産後56日: 健保の「出産手当金」(月収の2/3)
  • 産後57日目〜子1歳(延長で1.5〜2歳): 雇用保険の「育児休業給付金」(月収の67% → 50%)

産休が終わると同時に育休給付金にバトンタッチする形。両方申請すれば、産前から育休終了までの所得が手当でカバーされます。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」/ 協会けんぽ「出産手当金」
「出生後休業支援給付金」って何? 重複できる?

令和7年4月から新設された制度。両親とも決められた期間内に14日以上の育休を取得すると、+13%上乗せ(最大28日間)で、67%+13%=80%相当の給付に。期間は、父親(産後休業をしない方)は出生後8週以内、産後休業をした母親は出生後16週以内です。

社会保険料免除と合わせると、最初の28日は実質手取り10割相当になる計算。男性育休の取得促進が狙いの制度です。

原則は両親とも育休を取ることが条件です。ただし、ひとり親、配偶者が専業主婦(夫)や自営業・フリーランス、配偶者が産後休業中などの場合は、配偶者が育休を取らなくても対象になります。

出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)」13〜14頁 — PDF
育休中に退職したら、給付金はどうなる?

育休給付金は「休業終了後に職場復帰する」前提の制度。育休期間中に退職する場合は、退職日以降の支給は打ち切られます。

すでに支給済みの分の返金は原則不要(=過去分は問題なし)ですが、退職予定がある場合は事前にハローワークに相談を。退職後は失業給付(基本手当)の受給延長手続きが別途必要。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」
標準報酬月額の上限はあるの?

育児休業給付金の計算基礎は「休業開始時賃金日額」であり、健保の「標準報酬月額」とは別の概念です。賃金日額には毎年8/1改定の上限・下限があり、これが実質的な上限になります。

一方、育休期間中の社会保険料免除は健保の標準報酬月額をベースに計算され、こちらにも上限(健保最高等級)があります。「給付」と「保険料免除」は別ルールなので注意。

出典: 厚生労働省「育児休業給付について」

いつ申請して、いつもらえる?

勤務先経由でハローワークへ申請、原則2ヶ月ごとにまとめて支給。

事前準備
妊娠が分かったら、勤務先に育休の意向を伝える
育休取得期間を勤務先と擦り合わせ。育休開始日(出産予定日基準)を仮設定し、人事・総務に書類準備を依頼。
STEP 1
出産 → 産休 → 育休開始(産後57日目から / 男性は出生日から)
女性は産休56日が終わった翌日(産後57日目)から育休を始められます。男性は出生日(または出産予定日)から育休取得可能。
STEP 2
勤務先からハローワークへ初回申請
「育児休業給付受給資格確認票」+「育児休業給付金支給申請書」を勤務先経由でハローワークへ。初回支給は育休開始から2〜4ヶ月後になることが多い(申請タイミング次第)。
STEP 3 | 2ヶ月ごと
2ヶ月ごとに継続申請 → 振込
原則として2ヶ月ごとに申請、その後数週間で振込。勤務先経由で書類が回るので、自身で都度ハローワークに行く必要はないことが多い。
STEP 4 | 必要時
延長申請(1歳半・2歳まで)
保育園に入れなかった等の事情がある場合、子の1歳の誕生日前後に延長手続き。R7.4から手続きが厳格化(入園不承諾通知の取得経緯を細かく確認される)。
STEP 5
育休終了・職場復帰
復帰すると給付金は終了。最終支給を受けて完了。退職した場合はその時点で打ち切り。
申請は基本的に勤務先(事業主)経由。自身でハローワークに行くのは初回受給資格確認や延長申請等のタイミング。問い合わせ: 育児休業等給付コールセンター 0570-200-406(平日8:30〜17:15。土日祝日・12/29〜1/3を除く)。

本制度の変更履歴

制度の新設・改正・終了をまとめています。

2026-08-01 賃金日額の上限が16,110円→16,540円に改定(67%期間の30日分の支給上限は323,811円→332,454円)
毎年8月1日の改定。令和9年7月31日までの額 → 当時のページ(改定前)を見る
2025-08-01 賃金日額の上限・下限が改定(30〜44歳の上限が15,690→16,110円など、約2.7%上昇)
雇用保険法第18条による自動連動(毎月勤労統計の前年度比連動)

正確な情報はこちらから

このページは厚生労働省の公式資料を元にしています。正式な判断は必ず原典で確認してください。