● 協会けんぽ / 健康保険給付
● 所得制限なし

妊娠中のつわりや切迫早産で休んだら
健保から月収の2/3が支給される制度

正式名称
傷病手当金(協会けんぽ)

協会けんぽに加入している会社員が、業務外の病気・ケガで連続4日以上会社を休み、その間給与の支払いがない場合、休業4日目から1日あたり「標準報酬月額平均 ÷ 30 × 2/3」が支給されます。

妊娠中の重度のつわり(妊娠悪阻)・切迫流産・切迫早産などで医師が「療養のため休業必要」と認めた場合は、傷病手当金の対象に。
支給開始日から通算1年6ヶ月が支給期間の上限。出産手当金(産前42日〜産後56日)と重なる期間は、原則出産手当金が優先

支給の仕組み
最初の3日間(待期期間)
0
4日目以降(支給対象)
2/3
月収40万円なら日額約8,890円、休業30日で約26.7万円が目安。連続3日(土日・有休含む)は待期期間で支給なし。出勤日は通算対象外なのでスキップ可能(令和4年1月以降の改正)。

あなたの場合、いくらもらえる?

標準報酬月額と休業日数で、傷病手当金の概算を計算します。

標準報酬月額(月収の目安) 直近12ヶ月の平均
標準報酬月額は給与明細の健保料欄や健保証で確認可能。出産手当金と同じ基準で算定されます。
休業日数(連続休業の合計) 最初の3日は待期期間
連続3日(土日・有休含む)は待期期間で支給なし。4日目から支給対象に。
あなたの場合、合計
240,030
が傷病手当金として健保から支給されます(休業期間中、給与なしの場合)。
─ 計算の内訳 ─
標準報酬月額(直近12ヶ月平均) 入力された値
400,000円
1日あたり支給額 月額 ÷ 30 × 2/3
8,890円
支給対象日数 休業日数 − 待期3日
27日
8,890 × 27 = 240,030円
上の金額は「全期間休業し給与の支払いがなかった場合」の目安です。一部出社・有給消化で給与が出た日は対象外。実際の支給額は協会けんぽが計算する1日単価・対象日数で確定します。出産手当金と支給期間が重なる場合は、原則出産手当金が優先支給。詳細は勤務先の健保担当または協会けんぽ各支部にご確認ください。

よくある疑問

読み始めて「あれ?」と思いそうな点を、原典に基づいて先回りで解消します。

つわりでも、本当に傷病手当金がもらえるの?

「つわり」自体は病気として扱われない場合がありますが、重度の妊娠悪阻(脱水・体重減少を伴う)切迫流産・切迫早産と診断され、医師が「療養のため休業が必要」と認めれば対象になります。

医師の意見書(申請書の医師記入欄)に「療養のため労務不能」と記載されることが要件。自宅療養を医師から指示された期間も支給対象です。

つわりだけで申請に不安がある場合は、産科医に「傷病手当金の申請を考えている」と相談すれば、適切な傷病名で記入してもらえることが多いです。

出典: 協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 — kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040
「待期期間」って何? いきなり4日休んでも対象になる?

支給開始の前提として、連続して3日間休む「待期期間」を完成させる必要があります。3日連続して休んでいれば、4日目から支給対象に。

  • 連続3日には土日・祝日・有給休暇も含まれる(休日でも「休んでいる」扱い)
  • 3日目に出勤すると待期不成立 → 再度3日連続を作り直す必要
  • 給与の有無は待期期間の判定に影響しない

いきなり4日連続で休めば、4日目が支給対象1日目になります。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」
出産手当金との関係は? 重複してもらえる?

原則として重複支給はされません。両方の支給期間が重なる場合は、出産手当金が優先されます。

  • 出産手当金: 産前42日(多胎は98日)〜産後56日
  • 傷病手当金: 連続4日以上の業務外傷病で休業時(通算1年6ヶ月)

妊娠初期〜中期のつわり・切迫早産で休業 → 産前42日に入った日から出産手当金にバトンタッチ、という形が一般的。出産手当金額が傷病手当金額より少ない場合は差額が傷病手当金として支給されることもあります。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」
支給期間「通算1年6ヶ月」って、どう数える?

令和4年1月の改正で、「通算」方式に変わりました(以前は「暦日で1年6ヶ月」固定)。

  • 支給開始日から数えて、実際に支給を受けた日数の合計が1年6ヶ月(=日数換算で約549日)に達するまで支給
  • 途中で出勤・復職した期間は通算対象外なのでスキップ可能
  • つわりで2ヶ月休む → 復職 → 切迫早産で再休業、のような断続的な休業でも、合計1年6ヶ月に達するまで支給される

同一の傷病で繰り返し休業しても、通算で枠を使うイメージ。妊娠中・産後の長期療養に有利な改正です。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」 — kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040
計算式は出産手当金と同じ?

はい、1日あたりの支給額の計算式は同じです。

1日あたり = 支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額平均 ÷ 30 × 2/3。10円未満は四捨五入。

被保険者期間が12ヶ月未満の場合は、(ア)継続した各月の標準報酬月額平均、(イ)標準報酬月額の平均額(令和7年4月以降は32万円)、のいずれか低い方で算定。

つまり出産手当金とほぼ同じ「日額」で支給されますが、対象期間が違う(出産手当金は産前産後固定、傷病手当金は休業期間に応じる)点が異なります。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」
有給休暇を消化しても、傷病手当金はもらえる?

有給休暇を取得して給与が満額支払われた日は、傷病手当金の支給対象外(=その日は支給されない)。

ただし、給与が傷病手当金の額より少額(例: 傷病手当金日額の半額しか給与が出ない等)なら、差額分が支給されます。

有給を全部消化してから傷病手当金を申請するか、最初から休業扱いにして傷病手当金を受けるかは、給与水準と相談を。多くの場合は有給消化 → 残りを休業という流れが効率的です。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」
自営業(国民健康保険)でも、もらえる?

いいえ、対象外です。傷病手当金は 協会けんぽ被保険者本人のみが対象で、扶養家族・自営業の方(国民健康保険加入者)は給付されません。

国民健康保険には傷病手当金の制度自体がない自治体が多く、自営業の方の妊娠中の収入減は事業者保険(就業不能保険等)で備えるのが一般的。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」
申請書類はどう準備する?

「健康保険傷病手当金支給申請書」を協会けんぽから入手(Webからもダウンロード可)。記入欄は4ページ:

  • (1)被保険者欄(本人記入): 個人情報・口座情報など
  • (2)被保険者・事業主記入用: 休業期間・給与支払い状況
  • (3)事業主記入欄: 賃金台帳の写し等を添付して証明
  • (4)療養担当者記入欄: 医師による傷病名・労務不能期間の意見書

勤務先の健保担当に「傷病手当金を申請したい」と伝えれば、書類一式の入手・記入手順を案内してもらえます。出産前後を含む長期休業の場合は、産科医・人事と早めに相談を。

出典: 協会けんぽ「傷病手当金」

いつ申請して、いつもらえる?

医師の指示で休業 → 4日目から対象 → 申請 → 1〜2ヶ月後に振込、の流れ。

事前準備
医師から「療養のため休業必要」の指示
重度のつわり・切迫早産等で、産科医から休業の指示が出たら、勤務先の人事・健保担当に連絡。傷病手当金申請書の取得を依頼。
STEP 1
休業開始(連続3日 + 4日目以降が対象)
最初の連続3日は待期期間で支給なし。4日目から支給対象に。土日・祝日・有給休暇も連続日数にカウントされる。
STEP 2
休業中、給与なしの状態を維持
給与が満額出ている日は対象外。一部支給(傷病手当金より少額)の日は差額が支給されることも。
STEP 3
「傷病手当金支給申請書」を準備
被保険者欄(本人)+ 事業主記入欄(勤務先)+ 療養担当者記入欄(医師)を埋める。
事業主証明・医師意見書は数日〜数週間かかる場合があるので余裕をもって。
STEP 4
勤務先経由で協会けんぽに提出
1ヶ月単位でまとめて申請するのが一般的。長期療養では月ごとに申請して定期収入として受け取るスタイルも。
STEP 5
協会けんぽから指定口座に振込
提出から 1〜2ヶ月程度で振込。出産手当金と並行で申請する場合は、両者の期間が重ならないよう注意。
申請の時効は健保法上2年(支給日の翌日から起算)。長期休業中は月ごとに申請するのが確実。出産手当金と支給期間が重なる場合は、原則出産手当金が優先支給される。協会けんぽコールセンター: 各都道府県支部にて受付。

正確な情報はこちらから

このページは協会けんぽの公式資料を元にしています。正式な判断は必ず原典で確認してください。