9月7日の大雨、港区立学校は休校ゼロ。25校を全部見て分かったこと
9月7日、東京の一部で小中学校が休みになりました。区の発表や報道で確かめられたのは、葛飾区、練馬区、大田区、台東区、品川区、千代田区、杉並区、世田谷区、目黒区の9区と、西東京市です。前日の6日には、気象庁が東京地方などで線状降水帯が発生する可能性を発表していました。
港区は休校にしていません。区立学校25サイトを全部開いて確認したところ、休校を告知していた学校はゼロでした。代わりに6校が「本日は通常どおりです」という告知を出していました。なぜそうなったのかを、区の基準まで遡って調べました。
掲示を出していたのは6校、内容は全部「通常どおり」
港区立の小学校19校と中学校10校のうち、小中一貫校4校は小学校と中学校でサイトを共有しているため、サイトの数は25です。その25すべてを開きました。
| 学校 | ホームページの記載 |
|---|---|
| 港南小学校 | 「9月7日の登校について本日は、通常登校といたします」 |
| 赤坂学園 | 「本日9月7日(月)の登校について(略)本日は通常通りの登校といたします」 |
| 港南中学校 | 「本日の教育活動につきまして、教育委員会から『教育活動を通常通り実施する』との連絡がありました」 |
| 三田中学校 | 「9月7日(月)は通常通り登校および教育活動を実施いたします」 |
| 西南小学校 | 「現在、首都圏には、臨時休校につながる特別警報等は出ておりません(略)通常通りとなります」 |
| 御成門学園 | 「本日は、区の対応指針に則り、「保護者判断による登校」とし、学校では予定されていた平常通りの教育活動を行います」 |
残る19校には、9月7日について書かれたものがありませんでした。休校になっていないので、そもそも知らせることがなかったということになります。
1校だけ「保護者判断による登校」だった
6校のうち5校が「通常登校」と書いたのに対し、御成門学園だけは「保護者判断による登校」という別の言い方をしています。これは区の基準にある正式な区分で、意味が違います。
「保護者判断による登校」のとき、保護者が登下校中の安全を理由に登校を見合わせると、出席停止扱いになり、遅刻にも欠席にもなりません。同じ日に、同じ区の中で、学校によって書き方が分かれていたことになります。
港区の基準は「大雨は除く」と書いてある
なぜ港区だけ休校にならなかったのか。港区教育委員会の「非常災害時等の区立幼稚園・小中学校の対応について」(令和8年6月改訂)を読むと、はっきり書かれています。臨時休業になるのは次の2つの場合だけです。
| 条件 | 判断のタイミング |
|---|---|
| 主要な交通機関に計画運休が見込まれる | 前日 |
| レベル5・レベル4・特別警報、または警報が港区に出ている | 当日の午前6時 |
問題は2つ目の「警報」に付いている但し書きです。対応一覧の表には「警報 大雨は除く(暴風警報、暴風雪警報、大雪警報、津波警報、土砂災害警報、氾濫警報)」と書かれています。対象になるのは暴風・暴風雪・大雪・津波・土砂災害・氾濫の各警報で、大雨警報は入っていません。
では、9月7日の港区には何が出ていたのか。気象庁の発表を記録した国立情報学研究所のデータベースで確かめると、6日夜から7日昼過ぎまで港区に出ていたのは、大雨注意報(レベル2)、レベル2土砂災害注意報、雷・強風・波浪の各注意報でした。警報は1つも出ていません。
23区では、品川区・目黒区・世田谷区・渋谷区・中野区・杉並区・板橋区・練馬区に、6日夜から7日7時14分までレベル3大雨警報が出ていました。港区はその中に入っていません。午前6時の時点で、港区に臨時休業の条件となる警報は出ておらず、仮に大雨警報が出ていたとしても、基準の上では対象になりませんでした。
判断する人が違う
休校にした区は、前日のうちに区として一斉休校を決めて発表しています。葛飾区・練馬区・大田区・台東区と西東京市は6日午後3時30分までに、品川区は午後5時前に、千代田区は午後5時半前に発表しました。大田区は「7日朝の気象状況が好転した場合にも変更しない」、品川区も「天候が回復した場合も対応の変更はない」と、あらかじめ言い切る形をとりました。
港区は違います。前日に休みを決めるのは、主要な交通機関の計画運休が見込まれるときです。6日夜の時点で、港区を通るJRの山手線と京浜東北線は、運休ではなく本数を減らしての運転と発表されていました。当日は午前6時の警報を見て判断しますが、港区に警報は出ておらず、しかも大雨は条件から外れている。基準に照らすと、前日にも当日にも休校の条件には当たらなかったことになります。港南中学校の掲示にあった「教育委員会から『教育活動を通常通り実施する』との連絡がありました」が、その結果です。
学校は動かなかったが、防災側は動いていた
学校が通常どおりだった一方で、港区は自主避難施設を開けています。9月6日(日曜) 17時30分に、芝地区総合支所、麻布・赤坂・高輪の各区民センター、みなとパーク芝浦の5か所で開設し、9月7日(月曜)8時00分に閉鎖しました。2か所の施設に、3人が避難しています。
つまり「自主的に避難する場所を用意するほどの雨」ではあったが、「学校を休みにする基準には届かなかった」という日でした。
次に同じことが起きたら
港区で子どもを通わせている場合、大雨のときに見るべきものは3つです。まず学校からのメール配信。次に学校のホームページ。そして午前6時時点で港区に何の警報が出ているか。
休校の連絡が来なくても、登校させるかどうかを決める余地は保護者の側に残されています。安全を理由に見合わせた場合は出席停止扱いになり、遅刻や欠席にはなりません。その際は学校への連絡が必要で、赤羽小学校は午前8時まで、三田中学校は8時15分までと時刻を示していました。
- 非常災害時等の区立幼稚園、小中学校の対応について(港区)
- 非常災害時等の対応について(令和8年6月改訂)(PDF)
- 非常災害時等の区立幼稚園、小中学校の対応一覧(令和8年6月改訂)(PDF)
- 大雨に伴う自主避難について(港区:自主避難施設開設)(港区防災情報メール、2026年9月6日16時27分)
- 自主避難施設を閉鎖しました(港区防災情報メール、2026年9月7日8時03分)
- 特別警報・警報・注意報検索(港区)(国立情報学研究所 特別警報・警報・注意報データベース、気象庁防災情報XMLより)
- 東京・葛飾区、練馬区、大田区、台東区など7日の臨時休校を相次ぎ発表(FNNプライムオンライン、2026年9月6日15時50分配信・18時39分更新、Internet Archiveの保存版)
- 都内の小中学校などを臨時休校に 大雨影響で複数自治体が発表(テレビ朝日系(ANN)、2026年9月6日18時10分配信、Internet Archiveの保存版)
- 大雨の関東で「休校」発表相次ぐ(FNNプライムオンライン、2026年9月7日6時41分配信、Internet Archiveの保存版)
- 令和8年9月7日予報の警報級大雨について(千代田区)
- 9月7日(月曜日)は、区立小・中学校および幼稚園・こども園を臨時休業とします(目黒区、Internet Archiveの保存版)
- 葛飾区立幼稚園及び小・中学校の臨時休業について(9月7日(月曜日))(葛飾区、Internet Archiveの保存版)
- 【緊急・重要】9月7日(月曜日)市立小学校・中学校の臨時休校について(西東京市、Internet Archiveの保存版)
- 【重要】明日(9月7日)は休校です(大田区立大森第一中学校)
- JR首都圏在来線、大雨で計画運休も。6日夜から7日にかけてどうなる?(ハフポスト日本版、2026年9月6日20時28分配信、Internet Archiveの保存版)
- 港区立小・中学校(各校のホームページ一覧)