体外受精をしたら
東京都から1回最大15万円
法律婚または事実婚の夫婦で、保険診療の体外受精または顕微授精を受け、対象の先進医療(SEET法・タイムラプス・PGT-A など)を併用したときに、1回あたり最大15万円が東京都から助成されます。
要件は、(1)治療開始日に妻が43歳未満、(2)治療開始日から申請日まで夫婦いずれかが東京都内に住民登録、(3)対象の医療機関で受診すること。
妻39歳までに開始した夫婦は最大6回、40〜42歳は最大3回まで申請可。
旧制度(〜2026年3月の治療開始): 助成額は「先進医療費の自己負担分 × 70%」と「15万円」の低い方(例: 自己負担11万円→7.7万円、22万円→15万円が助成)。
新制度(2026年4月以降の治療開始): 対象が保険診療の体外受精・顕微授精にも拡大、上限15万円は維持。新制度の詳細な計算式は 2026年10月1日 の申請受付開始時に発表予定。
あなたの場合、最大いくら戻る?
妻が最初の治療を始めた年齢で、健康保険の体外受精回数枠(=都助成の回数枠)が決まります。
旧制度(〜2026年3月の治療開始)では「先進医療費の自己負担分 × 70%」と「15万円」の低い方が助成額(例: 自己負担11万円→7.7万円、22万円→15万円が助成)。
新制度(2026年4月以降の治療開始)の詳細な計算式は 2026年10月の申請受付開始時に発表予定。正式な判定は東京都福祉局子供・子育て支援部家庭支援課母子医療助成担当(03-5320-4362)にご確認ください。
よくある疑問
読み始めて「あれ?」と思いそうな点を、原典に基づいて先回りで解消します。
15万円って、複数の先進医療を併用しても1回15万円?
はい。「1回の治療」につき上限15万円です。SEET法 + タイムラプス + PGT-A など複数の先進医療を併用しても、合算で1回15万円が上限になります(技術ごとではなく、治療回ごと)。
旧制度の場合、自己負担分の70%が15万円を下回れば、その額が助成額(例: 自己負担11万円なら7.7万円)。
「1回の治療」って、どこからどこまで?
採卵から胚移植までの一連のサイクルを「1回の治療」と数えます。凍結胚移植は別カウントになる場合があるため、医療機関に確認するのが確実です。
例えば、採卵→新鮮胚移植で妊娠せず、後から凍結胚を解凍して移植した場合、それぞれ別の「1回」になることがあります。
既に保険診療で6回(または3回)使い切ったら?
都の助成は健康保険の体外受精回数枠と同じ枠を共有しているので、保険の回数を使い切ると都助成も対象外になります。
ただし、出産・死産があった場合は回数リセットが可能。次のお子さんに向けた治療では、新たに(年齢区分に応じた)6回または3回が使えます。死産の場合は母子手帳のコピー等で確認。
申請してから振込まで、どれくらいかかる?
旧制度の運用では、申請から約4ヶ月後に承認決定通知書が届き、その約1ヶ月後に振込。合計で約5ヶ月が目安です。
振込日には連絡が来ないので、通帳記入で確認してください。新制度(2026年4月以降の治療)では運用が変わる可能性があります。
対象になる先進医療の全リストは?
厚労省指定の以下13種(令和5年11月時点)が対象。今後追加される可能性あり。
- SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
- タイムラプス(胚の自動撮影による評価)
- 子宮内膜スクラッチ(局所内膜損傷による着床促進)
- PICSI(ヒアルロン酸培地による精子選別)
- ERA(子宮内膜受容能検査・次世代シークエンサー)
- ERPeak(子宮内膜受容期検査・RT-qPCR)
- EMMA / ALICE(子宮内細菌叢検査)
- 子宮内フローラ検査
- IMSI(強拡大顕微鏡による精子選別)
- 二段階胚移植法(初期胚 + 胚盤胞の段階移植)
- 膜構造を用いた生理学的精子選択術(マイクロ流体技術による精子選別)
- タクロリムス投与療法(反復着床不全に対する免疫抑制剤投与)
- PGT-A(着床前胚異数性検査)
それぞれ実施できる医療機関が決まっているため、医療機関に確認してください。
夫の年齢制限・所得制限は?
年齢制限は妻のみ(治療開始日に43歳未満)。夫の年齢制限はありません。
所得制限はなし。世帯年収による不可・減額はありません。
夫婦が別居・配偶者が海外居住の場合は?
治療開始日から申請日まで、夫婦のいずれかが東京都内に住民登録があれば申請できます。配偶者が別の道府県に居住していても、海外に居住していても可。
事実婚の場合は別途「申立書」の提出が必要です。
新制度(2026年4月以降)と旧制度、どちらが手厚い?
旧制度(〜2026年3月の治療開始): 助成は「先進医療費の自己負担分 × 70%」と「15万円」の低い方。先進医療部分のみが対象。
新制度(2026年4月以降の治療開始): 対象が保険診療の体外受精・顕微授精費用にも拡大。上限15万円は維持。
新制度の詳細な計算式・申請方法は、2026年10月の申請受付開始時に発表予定。実額として手厚くなるかどうかは、その公表内容次第です。
いつ申請して、いつもらえる?
1回の治療が終わったら、年度内(治療終了の翌3月31日まで)に電子申請。
受診時に妻が43歳未満であることが必須。
※ 令和8年4月1日以降の治療分は、申請受付開始が 2026年10月1日 から。
分かりづらい言葉、ほどきます
医学用語を、生活者の言葉にほどいています。出典は 日本生殖医学会 生殖医療Q&A。
先進医療とは?
保険診療と組み合わせて受けられる、効果や安全性が一定程度認められた先端的な医療技術のこと。まだ保険適用に至っていない段階で、有効性が確認されたものから順次、保険適用の検討対象になります。
費用は患者の自己負担(保険適用外)ですが、保険診療と「混合診療」として併用できる仕組み。不妊治療では、タイムラプス・PGT-A・SEET法など13種が指定されています(令和5年11月時点)。
タイムラプスとは?
培養器に内蔵されたカメラで、胚(受精卵)を一定間隔で自動撮影し、培養器から取り出すことなく胚の発育状況を観察できる技術です。
取り出して顕微鏡で観察する従来法より、胚へのストレスを減らせると考えられています。不妊治療関連の先進医療では実施件数が最多。
SEET法とは?
凍結融解胚移植の前に、胚を培養した液(培養液)を子宮に少量注入することで、着床に適した子宮内環境を作り出す技術です。
胚培養液中の成分が子宮内膜と胚のコミュニケーションを促進すると考えられています。「子宮内膜刺激胚移植法」とも呼ばれます。
PGT-A(着床前胚異数性検査)とは?
胚から細胞の一部を採取して、染色体の数を解析する検査。染色体数が正常な胚を選んで子宮に戻すことで、着床率の向上、流産率の低下が期待されます。
「ピー・ジー・ティー・エー」と読みます。Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidies の頭文字。
体外受精とは?
女性の卵巣から取り出した卵子と男性の精子を、体の外で出会わせて受精させ、数日育った受精卵(胚)を子宮に戻す不妊治療の総称です。
受精のさせ方には「ふりかけ法」と「顕微授精」の2方式があります。2022年4月から保険適用になりました。
顕微授精(ICSI)とは?
体外受精の中の受精方法のひとつで、卵子に精子を振りかける「ふりかけ法」と違い、顕微鏡下で1匹の精子を直接卵子に注入する方法です。
英語名は ICSI(Intracytoplasmic Sperm Injection、卵細胞質内精子注入法)。男性側の精子の数や運動率に問題がある場合や、ふりかけ法で受精がうまくいかない場合に選ばれます。1992年に初めて行われた技術です。
ふりかけ法(c-IVF)とは?
体外受精の中の受精方法のひとつで、採取した卵子に精子を振りかけて自然に受精させる方法です。顕微授精(精子を卵子に直接注入する方法)と対になる方式。
英語名は c-IVF(Conventional IVF)。
正確な情報はこちらから
このページは東京都福祉局の公式資料を元にしています。正式な判断は必ず原典で確認してください。